調剤薬局事務は人気の職業ですが、仕事をしていて「大変だな」と感じる場面も少なくありません。
この記事では、実際に調剤薬局事務として働いている私の経験から、
仕事をしていて大変と感じるところを紹介します。
これから未経験で調剤薬局事務に転職することを検討している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事の目次
薬局事務の仕事は大変?仕事内容はこの5つ

(薬局事務の仕事は大変?具体的な業務内容を紹介します)
↓薬局事務の仕事は、大きく分けて以下の5つに分かれます。
薬局事務の5つの仕事内容
- 接客
- 会計業務
- レセプト請求業務
- 調剤補助
- その他
それぞれの仕事内容で「こういうところが大変」と感じる場面をみていきましょう。
1.接客の大変なところ
私が調剤薬局で業務をして大変だったのは接客業務でした。
薬局事務の接客業務では、患者様から処方箋・保険証・お薬手帳を受け取り、どのようなお薬が必要なのかをヒアリングします。
例えば、ジェネリック医薬品の希望確認や、初めて来られた患者さん(新患)であれば問診票をお渡しするといった具合ですね。
患者様は、ご自身の病気のことや、病院での待ち時間など様々な不安やいらだちを抱えながらいらっしゃいます。
私も新患アンケートや保険証の確認で最初は怒られてしまうこともありました。
患者様の気持ちに気づかず接客しているとクレームにつながってしまいますから、慣れてからも緊張感を持って応対しなくてはなりません。
2.会計業務の大変なところ
会計業務では、処方箋の内容をパソコンに入力をしていきます。
基本的に入力は処方箋の内容が濃くなければすぐに慣れます。
現在は、バーコードで処方内容を読み取り入力してくれるシステムを導入している薬局もあるので、入力作業自体はそれほど大変ではありません。
しかし、入力にあたっては調剤報酬の算定が正しくできているかを瞬時に判断できるようにならなければなりません。
入力は薬剤名・規格・数量等をミスすれば患者様の命に関わります。
そして、そのミスによって入力訂正や訂正箇所の書類の破棄・変更等でお薬をお渡しするまでの待ち時間を更に長くすることになってしまいます。
ミスが許されない仕事ですから、大変に感じることも多い業務ですね。
3.レセプト請求業務の大変なところ
調剤薬局では、毎月、患者様ごとのレセプト(請求書)を作成し各保険組合に請求します。
この請求が薬局の売り上げになるというわけですね。
レセプト請求は毎月10日までに行われます。
それまでに、入力ミスがないか再度チェックをし、処方箋等の保管期間がある書類を1枚の漏れもないように確認します。
レセプト業務は通常の業務に加えて作業をするので、請求日の前後は業務が多くなり残業が必要になります。
患者様が多かった月などは、体力的にかなり大変になることもあります。
4.調剤補助の大変なところ
薬局事務の仕事で、一番大変なのは調剤補助の業務でしょう。
調剤補助では、薬剤師の指示に基づいてピッキングを行ったり、納品された薬を棚にしまったりといった作業を行います。
また、お薬カレンダーに薬を設置したり一包化の数量チェック等を任されることもありますね。
ピッキングや棚に納品された薬をしまう作業は未経験の方には難しく感じると思います。
業務に慣れるまでは大変と感じることも多いかもしれません。
5.その他
ここまで紹介してきた業務の他にも、薬局事務の仕事はいろいろあります。
例えば、店内の清掃・レジ・売上金の入金・日報・OTCや医薬品の発注や在庫確認といった仕事です。
薬局事務のその他の仕事(例)
- 店内の清掃
- レジ締め
- 売上金の入金
- 日報
- OTC
- 医薬品の発注
- 医薬品の在庫確認
この中で一番大変なのはレジ締めですね。
これは簡単にいえば、レジに入力されている金額と、レジに実際に入っているお金の残高があっているかをチェックする作業です。
患者様が多い店舗の場合、この作業は特に大変になります。
私も新人のころはなぜ金額が合わないのかがわからず途方にくれていました。
チェックシートを使って、正しくレジを打てているかチェックしていくのですが、締め日付近には残業が発生することも多かったです。
なお、残業については「残業代がきちんと支給される薬局」とそうでない薬局があるのが現状です。
残業代の扱いは、採用前(転職活動時)にきちんと確認しておかないといけません。
調剤薬局の仕事の大変さは企業規模によっても違う
調剤薬局の仕事の大変さは、実際に働く店舗や企業の大きさによってもかなり違いがあります。
全国に調剤薬局を展開するような大きな会社に就職した場合、人事異動が発生するケースも考えられるでしょう。
多い所では1~2年ごとに働く店舗が変わったり、複数の店舗を掛け持ちで担当したりする場合もあります。
店舗が変わっても基本的な仕事内容は変わりませんが、どこに何がしまってあるか、といったことは一から覚えないといけないので大変です。
当然ながら人間関係もリセットされますから、また一から信頼関係を構築していく必要があります。
この点、個人経営の小さな規模の薬局は、人事異動がありません。
働く環境がころころ変わることを好まない方は、小規模薬局が向いているかもしれません。
逆に、定期的に仕事に変化が生じる職場の方が良いという方は、複数の店舗を展開している大規模企業が向いているでしょう。
女性の多い職場で人間関係が大変な薬局も
同年代の社員が多い場合仕事の情報共有がしやすく、熟練の社員がいるとスキルアップができます。
調剤薬局では薬剤師とのコミュニケーションが欠かせません。
薬剤師は女性も多く気が強い方がとても多いです。
「自分の能力を生かして働いている」というプライドを持って働いている方が多いですから、頼もしい人が多い反面で「難しい」と感じてしまう場面も多いですね。
(一方で、男性の薬剤師さんは物静かで落ち着いた人が多い印象です。とても頭はいい人たちなのですが、線が細くて少し頼りなく感じる方も多いですね)
薬剤師も調剤事務も女性比率が高いです。
「どういう人たちと一緒に仕事をするか?」はとても大切ですから、転職前には一度店舗を見学しておくのがおすすめです。
店舗の立地によって仕事の大変さは違う
まず、駅前の薬局は病院でのやり取りや他薬局への薬の分譲・銀行への入金等で行き来する場所が近隣にあることが多いです。
しかし、駅前から遠い薬局の場合移動手段が自転車や車になることもあり、移動が複数回になると夏場や冬場は少し辛いかもしれません。
次に、大病院前の薬局であれば複数科を受診される患者様も多く、1人当たりの患者様の処方箋枚数が多かったり1日200件来る場合もあったりと1日中集中力が欠かせません。
また、小児科の前にある薬局ではシロップや粉薬が処方される為、お薬を調剤するのに時間がかかります。
赤ちゃんや複数の子供がいる家庭では待ち時間が苦痛となりクレームになりかねませんので、常に患者様に待ち時間への配慮が必要になります。
時間外ギリギリに患者様が病院に駆け込まれることもある為、残業が多いのが現状です。
薬局事務の仕事は大変だけどやりがいのある仕事!
薬局事務は大変なことも多いですが、やりがいのある仕事です。
また、調剤薬局は日本全国いたるところにあって、基本的な業務内容や流れは同じですから、働く場所が変わってもその知識を活かすことができます。
経験があれば年齢を重ねても再就職しやすいですから、産後や育児が落ち着いた後に、その時に合ったライフスタイルでパートや契約社員に転職することも可能です。
また、患者様からの「ありがとう」という言葉をもらえたときは本当に嬉しいです。
仕事で得た知識が家族の手助けになる時もありますね。
最初のうちは大変に感じることもあるかもしれませんが、薬局全体の事務内容を把握できてたら働きやすくなってくると思います。
薬剤師さんからの信頼を得られるようになってくると、とてもやりがいがある職業だと感じることができるでしょう。