「快適な職場環境で働きたい」というのは誰しもが思うことですよね。
しかし残念なことに、調剤薬局事務の世界では、「ブラックな職場」が一定数存在しています。
この記事では、実際に調剤薬局事務として働いている私が経験したブラックな職場の特徴を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ブラックな調剤薬局事務の特徴

(調剤薬局事務はブラックな職場?)
ブラックな調剤薬局事務には、以下の3つの特徴があります。
ブラックな調剤薬局事務の特徴
- 事務が薬を扱っている
- 人間関係が極端に悪い
- 残業が多い
それぞれの特徴について、順番に見ていきましょう。
↓実際の求人情報からブラックな職場を見分ける方法についてはこちらをクリックしてください(この記事の下部にジャンプします)
1.事務が薬を扱っている
ブラックな調剤薬局の典型的な特徴として、「事務が薬を扱っている」ということがあります。
本来、調剤関連の仕事は薬剤師の仕事で、薬剤師の資格を持っていない薬局事務が薬を扱うと法律違反になってしまいます。
しかし残念なことに、人手が足りないなどの理由で、事務に調剤の仕事をさせてしまう調剤薬局も存在しているのが実情なのです。
このような違法行為をしている薬局は、全体のルールがなあなあになってしまっている傾向があります。
ルールに反したかたちで仕事をすることは、自らをおとしめる行為になるだけでなく、患者様との訴訟などのリスクすら考えられます。
調剤薬局事務に薬を扱う仕事をさせる職場は絶対に避けるべきです。
2.人間関係が極端に悪い
どの職業でも、人間関係の悪さに耐え切れずに退職したという例はありますが、調剤薬局も例に漏れません。
女性が多い事務の間ですと女性同士の軋轢が起こる事が多いですし、薬剤師と事務の人間関係が悪くなるパターンもあります。
私の知っている薬局には、事務の女性たちが薬剤師に嫌がらせをして辞めさせた…なんて噂もありました。
女性の薬剤師さんだったのですが、子供の迎えで早上がりするのが一時期多かった事に腹を立てた事務たちが、聞こえるように悪口を言ったり、話しかけられても事務全員で無視するなどの嫌がらせをしたりしていました。
そして、他の薬剤師もそれを黙認していたのです。
後から聞きましたが、その薬局はほぼ毎日残業する事が当たり前の環境で、薬剤師たちも仕事を早く上がるその女性薬剤師さんに腹を立てていたようです。
しかし、その女性薬剤師さんは、日々の仕事はしっかりこなしていたし、早く上がる際もちゃんと皆に断りを入れていたのです。
ほぼ毎日残業が当たり前という習慣のこの薬局の体制に問題があるかと思いますが、それを容認して社員を辞めさせてしまったスタッフ全員に非があるように感じました。
調剤薬局というのはどうしてもせまい職場環境になりますので、最初はほんの少しだった軋轢(あつれき)が、やがて薬局全体に広がるという事は大いにありえます。
3.残業が多い
そしてもう1つは「残業の多さ」でしょう。
まだ患者様が薬局内に残っていれば多少の残業はやむを得ないでしょう。
しかし、もう患者様もおらず終業時間もとっくに過ぎているのに、資料の作成を強いられるなど、残業が当たり前のような態度を取る薬局は存在します。
通常の調剤薬局では定時で上がれることがほとんどです。
しかし、17時が定時なのに22時過ぎまで残業させる…といったブラックな職場も中にはあります。
仕事の他は家に帰って寝るだけ…という生活を送るようになってしまっては、自分の生活バランスが取れません。
自分の時間も取らせてもらえない就業体制の薬局はブラックと呼ばれてしまうでしょう。
ブラックな調剤薬局事務求人の特徴5つ
ブラックな調剤薬局に入らないためには、どのように求人を見極めれば良いのでしょう?
↓ブラックな調剤薬局事務求人を見分けるための特徴としては、以下の5つを知っておくと良いです。
ブラックな可能性が高い求人
- 募集人数が多い
- 年間休日の記載がない
- 仕事内容の記載がやたらと多い
- 転勤の可能性ありと記載されている
- 休日が「〇曜日午前」や「△曜日午後」となっている
それぞれの項目について、順番に解説していきます。
1.募集人数が多い
募集人数が複数名になっている求人は注意が必要です。
本来、調剤薬局にそこまで大人数の事務はいないのです。
通常であれば2人ほど、多くても4~5人ではないでしょうか。
それにも関わらず、複数名を一気に採用するという事は、事務が何人も辞めてしまう状況が予想されます。
オープニングスタッフでもないのに複数名募集している薬局は、少しご自身で調べてみた方が良いかもしれません。
2.年間休日の記載がない
休日が何日あるかという事は転職する際には重要事項と言えるでしょう。
しかし年間休日を記載していないという薬局では、入社後に多くの労働を強いられる可能性があるかもしれません。
通常の求人であれば「年間休日○○日」としっかり記載しています。
しかしそこをぼかされてしまっては、休日は確保できないと言われているようなものです。
一般的な薬局ならば、年間120日ほどは休日をとっているはずです。
年間休日の記載は見逃さないようにしましょう。
3.仕事内容の記載がやたらと多い
求人の中には仕事内容を細かく羅列している場合もあります。
細かに伝えようとしてくれている求人なら良心的なのですが、ごく稀にあまりにも多くの記載をしている求人があります。
例えば、患者様宅への薬の搬送業務や薬局マネジメント業務などの記載が羅列してあったら、少し考えてみた方が良いかもしれません。
患者様へ薬をお届けするのは薬剤師の仕事です。
前述しましたが、事務は調剤業務を行ってはいけません。
そしてマネジメント業務というのは管理薬剤師などの管理職がやる仕事なので、事務がやる仕事ではないはずです。
そのような薬局は、事務以外の仕事をさせる可能性がないとは言い切れません。
応募をする際にどのような仕事の内容なのか、事前に詳細を確認しておきましょう。
4.転勤の可能性ありと記載されている
調剤薬局事務は転勤が多い職業ではありません。
応援業務として近くの薬局に派遣されることはあるかもしれませんが、通常であれば自宅から通勤可能圏内の薬局で働くことになります。
それにも関わらず、転勤の可能性を示唆する薬局は、事務の離職率が高い会社である可能性があります。
というのも、もしどこかの薬局で事務が辞めてしまっても、転勤可能なスタッフを雇っておけば、すぐにその補充が出来るからです。
ブラックな職場は常に人手不足になりがちです。辞めた穴埋めをさせられる可能性もあります。
5.休日が「〇曜日午前」や「△曜日午後」となっている
休日の取得方法が半休単位になっている求人は、ブラックな可能性が高いです。
こういった求人では、「午前出勤して午後からは半休」という働き方をしても、終業後の後処理やらで実質1日働いてしまった…となってしまう可能性が高いからです。
休みの取得は1日ごとであるのが本来の基本です。
仕事とプライベートはきっちり分けたい、休みは1日しっかり欲しいという方は、休日取得方法の情報は見落とさないようにしましょう。